「資本」というと「お金」のイメージが強い。しかし、「何をやるにも体が資本だ」と言うときもある。だから、「お金」だけではないと思う。
あらためて、店を作り続けてきて、店を中心に周りの地域を見ると、「お金」ではない「資本」がある。これが「地域資本」なんだそうだ。
実は、「鎌倉資本主義」という本を書いた柳澤大輔という人は、鎌倉を拠点に「ジブンゴトとして、まちをつくる」という取組をしている。会ったこともないし、俺より24も若い、頭がいいと思う。そんな彼の考え方に、いい年したジジイが共感する。
この地域資本は、経済資本、社会資本、環境資本という3つの資本で構成されている。「経済」というお金だけでなく、人のつながりという社会資本、それから自然や文化という環境資本。なんとなくわかる気がする。自分達に当てはめてみるともっとわかる。自分達が店をつくった場所は、経済的な面から見たらだれも関心をもたない非効率な所、流れには乗ってない、だが、周りにはお金では買えない自然があり、水の町の象徴でもある鳥屋野潟という沼があり、城下町という文化があり歴史がある。
短期的な経済合理性や効率だけを求めても、小さい我々には無理。ことあるごとに発信してきた「今あるものに目を向けて、手を入れる」これしかなかった。「あんな場所でうまくいくの?」と言われながらも、今目の前にあるものに、新しい価値を、新しいモノサシで測ることで、失敗する確率は高いかも知れないが、時間をかけて、いや時間がかかるからこそ、経済というお金だけでなく、そこで挑戦していることに心が動き、俺も仲間に入りたいという若者が1人、2人と参加し始めている。これが人のつながりという社会資本であり、「人」という一番大切な財産が地方の片隅から育っていく。これがまさに、鳥屋野潟資本主義であり、長岡の高畑資本主義だと確信した。鎌倉資本主義の「パクリ」です。
実は、イノベーションは「パクッて」別な方向に走り始めることなんだって。これも「パクり」です。同じにはならないから安心してください。「パクり」は最高!