そんな百貨店に対する記事。
『百貨店という看板や老舗ののれん、立地の良さだけで勝手に客が来店し、他店で売れている商品を並べていればそこそこ売れた時代は遠い昔の話だ。ECやライフスタイルの大きな変化は、生活者と百貨店の距離を埋めるのが難しくなった。しかし、顧客が欲する潜在的な商品を仕入れて販売する小売業としての機能、衣食住がワンストップに揃う利便性、生活文化の発信、地域コミュニティの拠点など、百貨店が本来持っている魅力は変わらない。コロナ禍の生活でより必要になっている。リアル店舗を磨くことなしに存在意義は見いだせない』とあった。
中心市街地の百貨店から郊外の巨大ショッピングモールに移り、今はネットで買い物も当たり前になった。
我々の家具小売業も、見渡せば町の家具屋はほとんどなくなってしまった。
時代の変化はものすごいスピードで『カタチ』を変え、世の中の『主役』を変えていく。
『今』はあっという間に『過去』になっていく。我々もこの40年、様々な失敗から、それと実力の無さから学ぶことが多かった。
店の数ではなく、店というリアリティな舞台をどう磨いていくか、ここぞという場に出会ったらとことんそこを掘り続けることで気付くことがある、それは周りの環境も舞台だということ。
さらに、地方は車で移動することが当たり前、だとすれば絶対的に大切なのが駐車場の台数。そしてその駐車場で誘導に立つとお客様の生の声を聞くことができる。
今の店に何を感じたか、また来たいと言っているか、とか、店内では聞こえない声が店の外では様々な顧客の本音が聞ける。それを店にどう活かすか。
もう一つは、スタッフが商品の配達を通じ、より顧客との距離が近くなることで活かすことが多くなる。
小さい規模だからこそできることもある。
最後は『直す』という仕事。
『使い捨て』ではなく、買う前に直したいと思う気持ちになってほしい。20年前、いや、30年前に買っていただいたソファやイス、ダイニングテーブルの修理も多い。
我々は時代の流れに翻弄されてしまう。だから、一つくらい大切にしたい物があっても良いじゃないか。それが直してでも使っていきたくなる物を売る小売業でありたい。
だから古い倉庫を直し、古い旅館を直し、店を続けていく。
決して大きくはならないけど、ちょっと気になる存在として生きていきたい。
王様や主役よりは、名脇役の方がらしいかもしれない。