内容は「お金は寂しがり屋」。読んだ人も多かったと思います。お金は人が集まるところに寄ってくる。
あらゆる商店は、お金に寂しい思いをさせないように、賑わいを演出しながら発達してきた。市場に始まり商店街、それから郊外のショッピングモール、さらに小さなコンビニがあっという間に人を集めるようになった。
にぎわう主役がどんどん変化して、2000年以降はアマゾン、楽天などネットが人を集め、お金を集めている。さらにコロナ禍で、新たな賑わいを生み出したのが、料理の短時間配達、ウーバーイーツや出前館。この宅配という業態が、スーパー、外食、ドラッグストアなど雪崩を打ったように外部宅配業者と組んで「集客」の拡大に動いた。
一方、店舗をもたずに料理宅配によってレストランの形が変わった。「ゴーストレストラン」あるいは「ダークレストラン」と言うそうだ。店の集客が減る中、店を持たずに家賃を使わず、料理宅配業者に配達料を払うことでデリバリー業者が新たな「大家」になった。
お金が新しい賑わいに敏感に吸い寄せられていく。流れは、最初はゆっくりだがあっという間に主流という流れになる。「宅配」という仕事はいつの間にか「大家」となり、なくてはならない存在になった。さらに、小売業や外食は「マスかニッチか」という選択を迫られているし、「スピードかスロー」も問われる。
小さい我々は「マスかニッチ」と問われれば「ニッチ」を選ぶし、「スピードかスローか」だったら「ゆっくり早く」を選ぶしかない。
大切なのは、お金が人の集まるところに寄ってくるのであればどうやって人を集めるか。イベントだけでは無理。店や施設そのものに人が集まる理由は何か。
やっぱり「時と場の提案」しかなく、これは永遠と続く。しかも、時代とともに変化していくし、一度離れた人を呼び戻すのは至難の業だ。だから常に変化に対応する感覚が必要だと思う。