スターバックスが価格を下げるとなると、『品質がその犠牲になる』。
なぜなら、カウンターにいるバリスタの情熱と、プロ意識もなくなってしまう。そして、店内に流れる音楽、柔らかい照明や装飾、快適な椅子、それら全てが下げた価格の犠牲になってしまう。
だからこそ、スターバックスは価格を下げることはしない。過去にたった1日セールをやったことで、大混乱を来たし、低価格戦略は結局、高くつく。
要は、低価格の罠に堕ちるなと、スターバックスの本で言っている。
人の味覚は敏感である。長くファンでいて欲しいならば、やってはいけないことをスターバックスは理解し、実行している企業だ。
仕事をする為に非常に参考になるし、考えさせられる。改めて、作ること、売る仕事の基本と重要なことと、難しさを感じる。
たかがコーヒー、されどコーヒー、学べることは沢山ある。
当然、やれることと、やれないことがある。低価格で売上げを伸ばし、どんどん拡大していく企業もある。私はできない。
さらに店以外の場所で、大々的に販売会をやって売上げを上げる企業もある。おそらく、やればやるほど来店客数は減っていくのではないか。これも私はできない。
私はあくまでも、店に来てもらって、買物をしてもらう。そのために、どんな商品を、どんな人に喜んでもらって、買物をしてもらうのかの追求と、さらに大切に考えることは、長く・大切に使っていただき、直してでも使い続けたいと思ってもらう家具を売っていきたい。その結果、新しい商品が売れなくなったとしてもいい。
気付いてほしいことがある。それは、安く大量に作って、売る、それを買う、ということが最後はどんな風になるのかを。
皆分かっている。だって、全体の99%の人がそれに気付いているけど、低価格に引かれて買っている。1%は、我々のお客様になっていただいていると思っている。ですから、私達のお客様は、その99%の人の中に大勢いらっしゃる可能性がある。
私も含め、20年~30年前のドイツ車や、ポンコツのアメ車に乗っている男性社員が何人かいる。直しながら乗っている。日本車とドイツ車の大きな違いは理屈ではない。憧れや、好き、最後は『愛』だとも思う。
仕事・商品・働く仲間・お客様、かかわる全ては『愛』が有るか無いかだと思う。
スターバックスは『愛情』というブランドの追求なのかもしれない。
『愛情』の愛は、愛される愛より、愛する愛の方が強い。
いい加減、条件や待遇で仕事を選ぶことが、如何に不幸か気付け。
『愛』してください、そしたら『愛』します。なんて、一生、自身のブランドなんてできない。