城丸正ブログ

『弱者連合』でいい

2021.08.31

内田樹さんの本は好きでよく読む。

同世代ということもあるので、内容が『ささる』。

例えば、『困難な成熟』の中で、働くことと遊ぶことの間にデジタルな境界線などない、愉快に仕事をしている人はオン・オフの境界線はない。ということは、仕事なんだか遊びなんだか本人もよく分からないという人もいる。そういう人はわざわざ仕事と遊びを分けることはない。真っ当な労働には『遊び』が含まれている。遊びの要素が全く含まれていない仕事は『労働』ではなく『苦役』だと書かれている。

妙に納得してしまう。

さらに、『組織論』へと進むと、仕事でチームや組織をつくるのは何のためか、『生き延びるために決まっている』。そのために『仲間たち』が互いに持っている知性とか感性とか身体能力で生き延びるために一つになって働く。そして『まともな会社』をつくる。この『まともな会社』は必ずしも強者連合でなく、必ずチームには『幼く・非力で・まだまだ一人前ではない若者』がいる。当然、チームの『弱点』であるその若者を皆で守って何とか生き延びていくという目的を設定するとパフォーマンスが劇的に向上すると言われている。守るべきものがあるというマインドがすごく大切と書いてある。

改めて読んでみて、俺自身があまり頭が良いわけじゃないのに、ここで働きたいと集まった若い人とチームをつくって生き延びるために仕事をするわけだから、本当は『弱者連合』なんだということ。

だから、世の中の流れに乗り遅れるのは当たり前、『急行』や『特急』ではなく、『鈍行』で各駅停車で生きていくのも選択肢の一つだと思っている。

『まともな会社』をつくるヒントをもらった気がする。