松浦弥太郎さんの本で「自分らしさ」はいらない、という本がある。いい本です。この本を読むと、働き方がどうのこうのなんて「クソ」に思える。
もっと大切なのは、「心を働かす」ということが仕事の基本だということに気付く。
4月は新入社員が社会でスタートする。我々の会社には新卒は1人も入社しなかったが、1年を振り返ると昨年は新卒2人、そして数人の中途採用の社員が仲間になった。それと、産休・育休が終わって復帰した女性社員、さらに、一度退社したがもう一度働きたい、他を経験してわかったことがあると言って、様々な動機で働いている。
長男である息子が今社長です。昔中学生だった頃から店を手伝わせて、高校・短大と他のアルバイトを認めず家業だけをやらせてきた。「他のアルバイトをやるぐらいだったら店を手伝え!」と強制し、自由は認めなかった。ある意味、「自分らしさ」など、どうでもいい。気付いたのは、仕事のおもしろさではなく、その仕事にたずさわっている人に興味を持ったことが息子の心を動かしたと思う。学校よりもおもしろい、結果として30年近く一つの仕事にたずさわり、様々な世代の人とコミュニケーションを取り、いろいろと教えてもらい、年を重ねるたびに新しい価値観を探し、それを使って今までとは違う方法で仕事したり、失敗したりの繰り返し。頭が良いわけでもなく、ただただ、現状のままではおもしろくない、もっと新しい事をやったりして、結果的にたどり着く場所が、本当に必要とされるものは何なんだろうとか、喜んでもらえるものは何だろと、頭で考えてもなかなかわからない。そして、「心を使い始めた」と思う。
弥太郎さんの言う通り、人は自分で気付く、そして「自分らしさ」などと狭い世界から飛び出て、リアルな体験をして、結果として今あるものに目を向けて、今まで以上に心から大切に思って手を入れる。これが働くことの本質だと思い込んでいる。
さらに、次男が銀行を辞めて俺も一緒に仕事をしたいと入社してもう3ヶ月が過ぎた。長男は強制、次男は自由だったが、今、一つの会社で働く仲間と一緒に、何を考えているのか想像できないくらい未来に向かって挑戦していく小さな小さな会社、それが(株)ツールボックスのS.H.Sという店舗企画を考えるチームだということ。
実は今日、2人の若者が会社訪問にくる。だから、少しこんな内容になった。会うのが楽しみだ。俺の顔を見て恐怖をおぼえるかも知れないが、世の中にはいろいろな人間がいるということを知ることにもなる。