ブームに乗ってなんとかうまくやりたいという気持ちは誰にでもある。
例えば、2年以上に及ぶコロナ禍で、生活者のアウトドアに対する意識が上がって、多くの人が気軽に自然を楽しむようになった。そして、キャンプ用品の売上が急速に上がったということは理解できる。
だがブームにより、様々な異業種がそこに目を付けて参入し、店もどんどん増えて商品があふれてくる。
ここ最近、コロナ禍の出口が見え始めてくると、市場が急に冷え込み始めてきたそうだ。その結果、値引き販売が多くなりマーケットが乱れ始めて、ブームに乗って安易に参入してきた業者がドロップアウトしていくという。
「やっぱり」そうか。これが「ブーム」の後の「壁」で、この「壁」を乗り越えるか、あるいは壊すかしないと残れない。
我々の業界も昔、雑貨や家具、インテリア、ファッション、そして食まで編集して出店するインテリアショップとか、ライフスタイルショップが「ブーム」と言われ取り上げられた時があったが、一時的な事で終わった。それぐらい「ブーム」というのは終わるのが早い。
「ブーム」はキッカケを作るということ。だが、魅力は時間をかけないと作れない。
何度も何度も「壁」にぶち当たって気が付くことがある。俺達は生意気に生きよう。それは「誰にでも」ではなく、「誰に」という明確なファンだけで成り立っていく仕事をしようと。
そして、常にその「人」は「何を」求めているのだろう、どんな提案を喜ぶのか、ずーっとそこんところをやり続けるしかない。
「ブーム」より「壁」が、何かを変えさせるエネルギーになる気がする。そして、ぶち当たる度に「誰に」「何を」「どのように」という基本で今に至る。
どんな業種にも、その業界独自の常識が存在するし、家具屋にも服屋にもありとあらゆる所に既成概念という「壁」がある。もう一つ、「前例」という「カタイ」ものもある。
だからこそ、ブームに乗るよりは、勝手に様々な「壁」を壊すほうが気持ちがいい。
なかなかできないが、若さはそこに挑戦すべきだろう。