時々、お客さまから「あんたのところ『いい人』が入ったね」と言われることがある。
この「いい人」はいろいろな条件を満たしているわけではない。単純に出会いであり、縁みたいなものだ。採用された人は「この会社に来てよかった」と思えばいいし、受け入れる側は「この人だったら一緒にやっていけそう」と感じればそれでいい。互いに、こいつだったら一緒に何かを見つけて頑張っていけそうという気持ちになればそれが最高の出会いでもある。
実は、うちは新卒でも中途でもどっちでもいい。去年4月に入社した新人は6人残った。今年は新入社員がゼロ。求人の問い合わせは多いが、ひとりもいない。何事もやってみなければ分からない。世の中は相当厳しくて、去年は9,000件くらい様々な業種で倒産している。我々みたいな中小零細は生き残るためにどうする。一般的に言われているのが、効率よく早く結果を出すにはこうですああですという発信。気にはするがどうでもいい。
仕事で負けたくなかったら人より多く動くしかない。世の中は自分より頭のいいやつが大勢いる。さらに、至る所に専門学校や大学がある。今の大卒は昔の高卒と同じくらい多くなった。さらに、大学にもピンからキリまである。だから、自分を過大評価してはいけない。単純に「他人の倍やる」と覚悟を決めることや、他人の何倍やるかで決まる。
色々な情報があふれかえっている時代だから迷うかも知れないが、受験も仕事も自分みたいな頭が良くない人間は他人より何倍もやらないと光なんて差し込んでこない。それと、一緒に働く仲間とのつながり、その強さも大切だ。こいつと一緒に何かをやっていく。人の採用を売り手と買い手なんて言っていることや、すべてを損か得かなどと考えて生きていくその先に何があるというのだろう。「あんたのところ、いい人が入ったね」と言われる生き方をしよう。それしかない。