岩手県の伝統工芸品である南部鉄器の鉄瓶。少し前から見かけることも、使っている方も多くなってきています。
人気の秘密はそのモダンなデザインと鉄器からでる鉄分の効能にあります。
南部鉄器の歴史は古く、第二次大戦中は製造が禁止されたり、戦後はアルミニウム製品の普及から需要が減ったこともありましたが、近年では伝統工芸品の日用品としての人気も高まっています。直火だけでなくIH調理器で使えるものもあります。
ふつうのやかん、または急須との違いはというと、鉄瓶の方がお湯を沸かした場合、そのお湯がまろやかになると言われています。
鉄瓶の内側から溶け出した鉄イオンが水道水に含まれる塩素を分解、除去してくれるからです。さらに鉄瓶で沸かした湯を飲むことで鉄分補給が出来るので女性を中心に注目されています。
お手入れが難しいイメージかと思いますが日々のお手入れはそれほど難しくはありません。まず使い始めの「ならし」の作業が大切です。鉄瓶に水を入れ捨てる作業を数回繰り返し、その後水を8分目くらいまで入れて中火で沸騰せる。これをまた数回繰り返します。使い始めはこの作業を1ヶ月程続けることでようやく自分の鉄瓶になります。使ったらよく乾かして内側は絶対に触らない、洗わないことが鉄則です。使えば使うほど良い鉄瓶になります。
鉄瓶はすこし高価かもしれませんが大切に使えば一生使えます。毎日鉄瓶で沸かした白湯を飲むことを習慣にしている人もいます。生活に欠かせないものになっていく道具。それが日用品の良さなのかもしれません。