城丸正ブログ

縮小均衡

2015.08.09

一点集中、全面展開、縮小均衡経営。この考え方は「ある日突然40億円の借金を背負う。それでも人生はなんとかなる。」という本の著者 湯澤剛さんの本の中にある言葉です。早稲田大学法学部を卒業し、大手のキリンビールにいた方ですから頭は良いしエリートです。ただ、父親の会社を引き継いだ時から、どん底のさらにどん底を経験し這い上がってきた経営実話だから、変なビジネス書より説得力がありました。
私は5年前三条店を閉店するまで、拡大均衡を目指し、売り上げ、利益の拡大を最優先に考えて商売をやっていました。しかし、長岡を今の高畑へ移転し、自然の中の自分の店をスタートした時、路面店であった三条店が心に響かなくなったと同時に、従業員数も50人を超え、自分の能力の限界を感じ閉店を決意しました。当然、取引メーカー、地域のお客様、スタッフ、不安と不信、イメージダウンを覚悟しての事です。売上も下がりましたし借金も増えました。自分で決めて自分でやった事です。責任は大きいです。そして改めて自分は何をしたいのかをとことん考え、拡大ではなくて新潟と長岡の町を愛し、本当に必要とされる店とはどんな店、そして働くスタッフが幸せに感じる店とはどんな店、そして三条店を閉めて、新潟と長岡の2店を30人のスタッフで、50人のスタッフで運営していた時よりも質の高い仕事をしてよい店をつくる。それが働く社員の幸せにつながると信じて今日に到っています。ですから、二点集中、縮小均衡経営を、今、目指している。日本全国にチェーン展開する大手の店にはできない、うちの社員にしかできない事でお客様の支持を得たい。そこにしかない価値というか、他には無い何かを追求し続けていきたい。