ネットで簡単にモノや情報を得ることができる時代に、店を持ち商品を仕入れて人を雇用して売り上げをつくる小売業をやっている。難しいし簡単ではない。
参考になる記事があった。
それは、人口が増えた時代に成長してきたセブン&アイやイオンに成り代わってドン・キホーテ、ロピア、オーケの躍進がすごいそうだ。
共通しているのが、人口が減り始めた2010年代から出店ペースを加速し生活者の支持を得たこと。3社は低価格チェーンではなく、独自の売場、商品づくりを進めて多様化する生活者の志向に対応してきた会社だという。人口が増えないということは、今までの小売りのカタチが行き詰まり、国内の小売業の成長力には陰りが見えてくるということ。
4強(ダイエー、イトーヨーカ堂、西友、ジャスコ)から2強になり、最後には0強になっていく時代。
小売業は一定のサイクルで経営が行き詰まるし、ネットやメルカリのような中古販売市場では競争相手は増えるばかり。ものまねでは体力がある方が勝つに決まっている。
よって、これからは右肩下がりをベースに考える必要があり、過去の成功パターンはどれも通用しない。そんな内容の記事だった。
だとすると、今、何をすればよいのか。できることは、まず今日一日を精一杯一生懸命に過ごすこと。しつこいようだが、我々のような零細企業が生き残るにはそれしかない。
物価高だ、円安だ、賃金が上がらないだのほざいたところでしょうがない。成長しない時代を生きていく上で大事なのが、自分で選んだ仕事に熱中できるかどうかだ。
働き方改革なんてどうでもいい。「タイパ」や「コスパ」というせこい考え方を持った人間は大企業に就職すればよい。
我々は時代の流れとは逆の考え方をすることで、良いにしても悪いにしても小さいなりの存在感を出す必要がある。しかも、仕事と生きることを一にすることで余計などうでもいい雑音が入ってこなくなる。絶対に無理な領域に手が届くとネット情報を鵜呑みにして勘違いしてしまう人間が溢れている時代にはむしろありな考え方かもな。
「今、やっぱあの店だ。やっぱあの人だ」と選ばれるような店舗を目指す。千客万来を目指すのもいいが、たった一人のお客様が何百回も来店してもらうことで商売が成り立つと信じて生きるしかない。たった2店舗で35人の人間たちが生きていくには、当たり前のことをバカになってちゃんとやるしかない。それでダメならしょうがない。
「今」に必要とされなければなくなる。それが「会社」であり「店」だということを肝に銘じるのもありだ。