城丸正ブログ

言ってはいけない、書いてはいけない

2024.06.23

『書いてはいけない』という本を書いた経済アナリストの森永卓郎さんが、少し前に「『大幅な賃上げ』と言っているのは全労働者の2~3割に過ぎない。もちろん大企業に限られているし、政府に忖度して水増しの数値を報告している可能性もある。賃上げの恩恵を受けているのはほんの一部だと見ている。」というコメントを発していた。

中小零細に関して言えば、業績好調要因ではなく人手不足要因が「生の声」だろう。実質賃金が低下し続けているのは業績とは別に景気が良くないからだ、と直球も投げている。

ところがごく一部の大企業の景気の良い数字が出てくると、政府はいつも増税や社会保険料などの公的負担を打ち出してくる。政府が負担を強いる対象は決まって国民の方だ。

森永さんはステージ4のすい臓がんを公表していて闘病中だ。もっと「言ってほしい、書いてほしい」。

世の中は「強くて大きくて力がある」存在の顔色を見ながら動くということが当たり前になってきた。その結果、あってはならない不祥事が次から次へと起こっている。

強い者が弱い者を利用して自分たちの都合のいい世の中を作っていくとか、政治の世界でも良かれと思って一強を目指したはいいものの裏金や隠匿、驕りでおかしくなっている。

立派な会社、立派な政治家さんたちだと思ったら、実は悪いことをしていたなんてことはざらにある。情けないのは、みんながやっているからという言い訳をして悪びれもしていないことだ。

なんとカッコ悪いことか。

これらは人間の本性であり欲望なんだろう。わかる気がするけど、我々は弱者だからそれなりの生き方しかできない。おそらく「助け合う」ことしかないと思う。

それと、心のどこかで「ふざけるな」だ。それと、言っていいし、書いていいとも思う。