城丸正ブログ

本当に、そうなんだろうか

2022.11.05

今の大きな流れや、多数派といわれる考えに対して、「本当にそうなの?」と思うことがある。

人は多くの人と同じことをする方が楽だし、物事を考える必要もない。しかも誰からも非難されることがないので、無意識にその流れに乗っていく。そして、「みんな一緒」という安心を手に入れてしまう。

ところが、多数派だからと言って正しいわけではないよ、という人がいる。例えば、俺より2歳年上の池田清彦さんが「SDGsの大嘘」という本を書いている。

テレビや新聞、いたるところで「SDGs」の大合唱、個人的に異状だろうと思っていたら、その本にいい内容が書いてあった。

前にも書いたが、パタゴニアは持続不可能を前提に物事を考え、最近は「自分達の株主は地球だ」と発信したりしている。

先程の池田さんの本の中で、「人口を減らそう」という人口問題に「SDGs」が言及していないことが一番問題だと言っている。なぜなら、人口を減らすなんて言えるわけがないからだ。

経済成長は、人口増加が前提になっている。その本によると、世界の人口は20世紀初頭には、約16億5000万人だったが、この100年で爆発的に増えて、現在は79億人にまで膨れ上がった。この人口増加を抑えないで、SDGsが掲げる「貧困撲滅」「飢餓ゼロ」「安全な水とトイレを世界中に」「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」という目標を徹底的に追及していくと、結局は個人間や国家間でのエネルギーや食料、水などの奪い合いが始まって、SDGsどころの騒ぎではなくなるという。現にロシアとウクライナの戦争で分断し始めているし、物価が高くなって、先進国でも生活がこの先どうなるか予測不可能とかね。地球上のエネルギー量は無限ではない等々、読んでみたらおもしろいというか、多数派の流れの恐ろしさを知ることになる。

もう一つ、「いい子症候群」という記事も「皆と一緒」を象徴しているように思った。最近の若者は一見素直で協調性はあるが、競争や挑戦が嫌いで、横並び意識が強く、人前で褒められることも目立つことも嫌がる。「平等」「必要性」「実績」「努力」という4つから、最も公正なことは何かと聞いたら、約半数が「平等」を支持し、「努力」は4分の1だったそうだ。今の若者の半分は、努力や実績に関係なく「皆同じでいい」と考えている。だから、自由な議論より協調性を優先させる。なぜなら、近年の教育が、競争より主体性と協調性の両方を育もうとしたからだ、と書いてあった。

結局、ありとあらゆる場面で、これからはこうだよね、そうそうそうとという流れについつい乗ってしまうのも人間の常だということ。

でもさぁ、「信じること、そして疑うこと」を大切にしようよ。そして、少数派(マイノリティ)も価値があるよ。マジョリティでもマイノリティでもどっちでもいいけど、一瞬で変わるのが世の中なんじゃないの。

どっちかというと、マイノリティ側にいたい自分です。