今、スマホの画面にタッチするだけであっという間に自分に一番最適な『物』を見つけることができるし、いつでもすぐに欲しいと思えば手に入る。
この現実を前にして、店を開き、商品を仕入れ、スタッフと一緒に、『いらっしゃいませ、何をお探しですか?』『これなんかいかがですか?』などと接客する小売業がこの先続けていくことは非常に難しい。
ネット社会、デジタル化にあえて抗ってみても意味がない。
要は、『何を売るか』ではなく、『どう売るか』。
店は商品を売る『場』ではなく、ある大手百貨店が『売り場』ではなく『お買い物場』とか言って、あくまでも売り手側の立場ではなく、買い物をするお客様の立場になって考えないとだめだという方向性を打ち出したことがあった。
懐かしい感じがする。
もう『売り場』『お買い物場』でもない気がする。
なぜなら、来店する目的が買物だけではなくなったということ。
駐車場の誘導をしていると、お客様の声がストレートに聞こえてくる。
『面白そう』『面白かった』『なんかワクワクした』『なんでこんな場所まで人が来る』『おいしかった』『今度はあの人と一緒に…』『なんであんなに高いの、買えない。でも買っている人がいる』
様々な人の本音を聞くことができる。
同業他社を見ても始まらない。
同じ業界誌を読んでも意味がない。
常識をぶっ壊すような、新たな『カタチ』を生み出さないと生き残れない。
最初にやるのが自己破壊なのかもしれないが、相当難しい。