城丸正ブログ

不便益=北の国から

2021.04.05

不便益という本で、人の役に立つ方法は社会を豊かにすること、社会を豊かにすることは世の中を便利にすること、便利にすることは手間をかけず頭を使わずに済むということ、そのための方法は自動化・効率化・高機能化だといわれている。でも、本当に『便利』ってどうなんだろう。車も自動運転の時代になると、車を信じるしかない、その先には自分の力ではどうにもできない、気持ちの悪い感覚が生まれてこないのか。そして、人の能力が必要なくなる、自分の能力を発揮するチャンスが奪われる、あえて自分でなくてもいいことが多くなる。そして、機械を信じるほかには術がない状態を受け入れざるを得ないことになる。これって気持ち悪くないですか、不便だからこそ、得られる益があるんだと書いてあった。

田中邦衛さんが亡くなった。

『北の国から』の黒板五郎は私と被った。

何度も書いている。ひろう・もらう・かりるがスタートで、あのドラマを見て何度も涙が出た。

倉本聰の『獨白』の内容も、なんでも機械がしてくれて、暮らしの中で汗をかくことが殆どなくてすむようになったことが一番恐ろしい。あるいは、都会の連中は知識で生きているけど、富良野の人達は知恵で生きている。

すぐに結果を出すことを求めて、そのために金やエネルギーを使う。早く結果の出ることが善で、時間のかかることは避けたい。果たしてそのことが正しいのかって。さらに想像力が働かないのは、一見無駄な時間がなくて、面白いことが周りに多すぎるせいだろう。不便だからこそ、人間の本質が問われる、不便だからこそ、様々な力が付いていく、不便だからこそ、ドラマになり、涙になり笑いになる。

自分もそうだが、苦しくて、つらくて、どうにもならなかったけど、過ぎてみると笑い話になっていることがけっこう多い。