城丸正ブログ

四度目の正直

2020.10.22

一度目や二度目は当てにならないが、三度目は確実になんとかなるという昔からの言い伝えがある。

しかし、今のS.H.S長岡店は四度目の正直なような気がする。

長岡市に初出店したのは1996年の3月。場所は城内町の古い3階建のビルを自分達で店の内装を仕上げ開店した。

だが、初日の売上げは『ゼロ』、最悪な物語の始まりでした。

駐車場のない店にお客様が来るはずがない。

すぐに二度目は『左近』という場所へ移り、そこは5台くらいの車が止められる2階建の創庫を借りた。

でも、今度は『狭い』。

三度目が『要町』。150坪くらいの大きい創庫を直して営業していました。ここがダメだったら長岡は諦めると思いながら、三度目の正直で必ず何とかなると思っていた矢先、中越地震が起こり、店内はめちゃくちゃ。それでも4日で営業を開始した。

だが、もうロードサイドで、入りやすく出やすい立地よりも、どうせよそ者を受け入れない町ならば、とことんあんな場所という所へ出店するのもありだと思い、長岡は一言で言うと歴史の町というならば、誰もが見向きもしない廃業した古い割烹旅館を競売で買った。旅館と売店とレストランの集合体をやれば面白いだろうと動き始めた。

ところが、旅館という宿泊では売上げは厳しく、ブライダルと売店を暮らしの提案という、家具インテリア雑貨の空間にした。この売上げがなかったら雇用も守れなかったし、今日まで続けることはできなかった。市街化調整区域での廃業した『長岡館』という割烹旅館を宿泊だけでなく、食と暮らしを提案する新しい『かたち』は全国的に見てもほとんどない。

長岡は歴史の町を打ち出している町であるならば、我々が取り組んでいる古い割烹旅館を、今の時代、これからもっと人口が減っていく、しかもインターネットの普及、物も売れない時代、前例というものに縛られては地元の活力は生まれない。そんな思いで時間とお金をかけて12年、四度目の正直を守り続けている。

廃業した旅館を同じ形で営業しても上手くいくはずがないということは皆わかっている。

だから、『あんげな場所、何やってもだめだこってさ』という声を振り切ってやり続けている。

最後に、廃業した『長岡館』の競売に手を上げたのは地元長岡の人は1人もいなかった。

要は、よそ者・バカ者・若者しか現状を壊してやるヤツはいない。それが我々S.H.S。

それでも失敗する。それが現実の厳しさだ。