10年前に発売された『グリーンネイバーフッド』という本の中で、ライフスタイルの地殻変動という記述がある。
これまでの都市の成り立ちは、最初に産業(職)ありきで人々は職のあるところに集まり、居住し、やがて街が形成されていった。
ところが今、産業構造の変化、情報技術の発達によって、職が有るとか無いというよりも前に、自分達が住みたい場所を優先して選ぶ人々が現れてきた。気持ちの良い生活を実現することで人々が集まり、街が発展し、企業はそんな人々が多く住む人気の街を目指して後からやってくる、あるいはそこから生まれる。
『脱就業優先の居住地選択の時代』だと言っている。
今のコロナウイルス感染で、人口密度が高い東京をはじめとする大都会が必ずしも気持ちの良い生活が可能ではない。私も20代に東京で就職して、本社が東京駅前の丸ビルにあった。通勤時間は往復4時間、毎日すし詰めの満員電車、一発で嫌になった。都会には向かない自分、1年足らずで新潟に戻った。
就活が本格化している。仕事を求めて東京や大都会へ行くことを否定はしない。だが、働き方もだいぶ変化して、在宅勤務とかオンラインで商談とか、どんどん変化しているし、都会の生活は地方の2倍のランニングコストがかかる。給料が地方より高いのは当たり前。
地方は今後ますます住みたくなる街の魅力をどうつくるか。
まずは公的機関は民間企業の活動を抑制する側ではなく、後方支援に回るくらいの度量が必要だ。人口が減っていく時代に、何十年も前のルールをいつまでも守り続けることがおかしくなっていく。
アメリカのオレゴン州、ポートランドの成功事例から、いくつものヒントがある。
住みたくなる街をどうつくるか。地方の生活はこれから大切になる。
だって、ニトリが新潟県内に8店舗もあるということはそれだけ魅力的な町だということなんだろう?