私が店をつくるとき、いくつか大切にしていることがあると書いてきました。
自然を味方につけるだったり、お客様からどうしても行ってみたいと思ってもらうとか、自分が商売をするためにどうしたらいいかが最優先でした。
ところが、鳥屋野店をオープンしたとき、近隣の住民から車の渋滞がひどい、しかも今まで静かな住宅地だったのに『あんたの店のおかげで』最悪だと言われたことがあった。
店を継続していくために、まず近隣の方々から喜ばれなければやる意味がないと思い、そこでトヤノ・ネイバーフットというスローガンのもと、まだ十分とは言えないが20年近くかけて地域に溶け込むような店であり、ローカルな街、小さな複合体として認知していただく努力をしてきた。
我々はお客様のためだけではなく、不十分かもしれないが、昔からそこで暮らしている人達に気を使って商いをしてきた。そして、ここが我々のホームグラウンドなんです。
今はPOP-UPという形で様々な場所で短期間に効率よく商品やサービスを売る人も多くなっているのも否定はしません。
私はこの場所にようやく辿り着き、時間とお金をかけて失敗の連続の中で、ようやく自分達のカタチをつくりつつあります。
もう一度書きます。
お客様も大切です。
それ以上に住んでいる人達に迷惑はかけてはいけない考え方が、ご近所と一緒というネイバーフッドということなんです。
ですから、そこを理解していただけない人と何かをやるのはあり得ません。
改めて、倉庫を貸していただいた大家さんや、自然科学館・図書館・高田建築事務所さん・ニューズラインさん・リージェンスさん・鳥屋野潟公園、それと、周りの多くの住民の方々と共に、新潟と言えば住みたい場所の上位にくるような鳥屋野ネイバーフッドになりたい。
S.H.Sはこれからも、そこを大切にしていきたい。