城丸正ブログ

69

2019.12.14

今日の日経新聞、『男はつらいよ』50年で新作。山田洋次監督に聞くは心に深く染み込む。

1969年に『男はつらいよ』の一作がスタートした。私は19歳、大学生で安保闘争が激しさを増し始めた頃だったし、いい経験だった。若者は権力に対し反発する、痛い思いもする。

山田監督は、今、映画館がいつの間にか行儀よくしなきゃいけません、人に迷惑かけちゃいけませんになちゃった。そりゃ迷惑かけない方がいいに決まってんだけど、多少の迷惑は『まぁ、しょうがないね』と言って許すという寛容さが消えている。映画館でうるさい人がいれば、『うるさい、静かに見ろ』って言えばいい。もめたら仲裁する人が出てくる、それでいい、人間関係って。それを全部お上の命令みたいに決まりごとにしてしまう。映画館だけじゃなくて、いろんな場所で言えるんじゃないかな。と書いている。

そうだ、その通りだ。働き方改革や有給を取らせなさいと、どんどん口出しをしてくる。しかもコンピュータの時代で幸せなのか、人間より賢いAIが登場するけど、それは素晴らしい時代が来ると考えていいのか、それは恐怖かもしれないとも書いている。

そして、『寅さんが生きづらい時代』だ。50年前に比べると、この国は住みづらく寂しくなった。と、山田監督は語る。

長く生きてくると昔と比べる、しかたない、だからと言って流れを止めたり、逆らうことはもうできなくなっていく。『寛容さ』は優しさなのか、私は69最後の月、来月は70だ。心が狭いから許せないことはまだある。いいじゃないか、死ぬまで一方的な流れにおかしいだろうと言う人がいてもさ。

あっという間だよなぁ、時間は。