城丸正ブログ

因果応報

2019.05.25

6年前、『いいね』が社会を破壊するという楡 周平(にれ しゅうへい)さんが書いた本を読んだ時、日本はまだまだそこまでいかないだろうと思った。

だが、あっという間に書かれている内容が目の前に起こっている。

内容の一部、

ある日突然、ネット通販に置き換わるわけではないが、ネット通販の市場が拡大すれば小売店の売上げが2割3割と下がり、やがて家賃を支払って店を構えることは困難になり、規模を縮小するか人件費を削らない限り店舗は維持できなくなる。

形は違うけど、もっと前、地方都市に大型量販店が出店して、様々な商店街がシャッター通りになった。

より多くの商品を大量に仕入れ、周りの小売店より安く売る。それを消費者が支持し、結果として周辺の商店を壊滅状態に追い込んだ過去があり、今も続いている。

今度はネット通販というイノベーターによって我が身に降りかかっている。

一部の具体例として、新潟三越の閉店やイトーヨーカドーの閉店、そのうち郊外の商業モールも閉店になる可能性もありだということ。

最終的にどこに行くか分からない。はっきりしていることは、『便利』の追求が雇用を奪うことになるとも、彼は書いている。

時代と共に、生活者が、今何を求めているのか、これから何を求めていくのか、その一歩も二歩も先に進んで、こんなに便利で簡単、しかも安く望む物・求めている物やサービスが手に入ります、いかがですかという新しいイノベーションは、今当たり前に存在する物を破壊し、新たな産業を生み出すが、破壊した産業以上の雇用を生み出すことには繋がらない。

破壊と創造などとよく言われる、もちろん大事だけど、もう一方では因果応報…過去の行いの善悪に応じて必ずその報いがある。

便利で簡単、安くて早いを、もっともっとと追求すればするほど、その結果として報いは必ずある。それは良いことばっかりではないということ。

私はそういう時代に、小売業として、時代の大きな流れという群れから離れて生きてみたい。

それが我々の挑戦でもある。