城丸正ブログ

これからどうするか。

2019.03.25

商品はあり過ぎ、売れ行きは不振、10%引き・20%引き・30%引き・40%引き、全品半額、消費者はセールが大好きな一方で、企業は売らんがために価格競争に足を踏み入れて死にそうな思いをする羽目に陥っている。

価格競争というアプローチは、何年も、何十年もの間、上手く行っていた。モノやサービスの大量生産がもたらす規模の経済のおかげで、価格を下げてもそれに見合うコストの削減ができたからである。

だが、もうこのシステムは成長も利益も出なくなってきている。皆このことに気付いているのに、どうすればいいかわからないでいる。という書き出しで始まる本があった。さらに、『顧客中心』や『顧客重視』『顧客満足』とか言いつくされていて、ここに付け加えられるような新しい考え方がないと難しい時代になった。

その考え方が『経験』という価値だそうだ。単に商品を仕入れて、レイアウトして、接客をしたら売れる、あるいはセールすることでお買得感で売れる、何かをサービスしたら売れる、それを大々的にアピールすれば多くの人が買物に来てくれる、こういう時代が終わった。どの業種も、このやり方で上手く行くのは1社くらいしかない。

それと、インターネットは商品もサービスも、画一化する強力なパワーを持っている。昔から存在する商売に見られる、人と人との関わり合いを取り除いてしまう、面倒で煩わしいことがなく、膨大な量の情報を使って価格を比較して簡単に商売が成立する、時間もコストも節約できる、したがって生活者も便利になり、企業もスピード化の中でバーチャルな画一化の罠に引きずり込まれていく。だから商品や製品とサービスは衰退していく、確実に!なんて書いている。

新しい価値は『経験』というキーワード、しかもサービスを舞台に商品を小道具に使って、お客様を魅了する。人は思い出に残る経験にお金を払う。

もう単純ではない、小売業という世界で残るには商品を売るだけでは残れないということは分かった。だが、すごくいいとか、嬉しかった、楽しかった、感動したなどと、人の五感に訴えてお金をいただくことが、これからの商売なんだと。

どんどん分からなくなる。

あ!そうか、ディズニーランドのように入場料がもらえるようなコトなんだろうか。

ブックスハセガワで見つけた『経験経済』という本、私は読めば読むほど分からなくなっていく。

本には『答』はない。だが、すごく『考える』ことができる。