空間より居場所が大切になってきた。
第一の居場所は住む家、第二の居場所は働く職場、そして第三の居場所が町であり、商店街の重要性だと言われている。
例えば、コーヒーショップ、レストラン、本屋、美容室、雑貨店などが第三の居場所の代表である。
大勢の人の中で1人で過ごしたり、会話を楽しんだり、等々、昔の地方の商店街には必ず小さな店が繋がって居場所を作っていた。
しかし時代とともに、郊外に巨大な商業モールがいくつもできてきて、何時間居ても駐車場は無料だし、魅力的な店の集合体ができてくると町の中心の商店街へ行かなくなる。
鳥屋野のS.H.Sはスタートから第三の居場所を意識したわけではないが、2007年に出版された、吉祥寺スタイルという本を読んでから、空間も大切だが、居場所や居心地をもっと意識して良くしていかなければならない。
最初、創庫三棟は重荷だった。だが、時間をかけて少しずつ作り続けて、ようやく人が足を運んでくれるようになった。しかも時と場の提案などと生意気なことを言い出したため、すごく悩みました。
最終的にわかりやすく、誰に来て欲しいのか、何を提案したいのか、どんな風にそれを実現したいのか、に絞って考えて実行することに心掛けてきた。
結果、衣・食・住・美・学・健・遊という7つのテーマを1つ1つ組み合わせていくことが、第三の居場所をつくることになるのだろうと確信した、これは大変むずかしい。
今、年間13万人の来店者数をもっと増やすということは、駐車場の問題もあってできない。もっと増やすことは地域に対し迷惑をかけてしまう。次から次へ様々な問題を乗り越えていかなければ、第三の居場所としての存在感を示すことはむずかしい。
我々の手でつくる小さな商店街が、なくてはならない存在になるまで努力し続けるしかない。