今日の繊研新聞の『視点』というコラム、”捨てられる服”という内容、捨てられる新品の服、年10億点という記事。
低賃金労働によって可能になった低価格、大量生産が進み、服の価値は下がって廃棄量が増えた。ファッションビジネスの成長を一番に考えるあまり、結果として様々な問題が浮き上がってきている。
この問題はファッションだけでなく、家具・インテリア・雑貨、全てにおいて起こっている。
もう日本は低賃金労働の国ではない、だから日本製が少ない。売るために安く作る、しかも大量に作る、そして広告を使う、すると買ってくれる、日本の生活者、止めることができない。
高いより安い方が勿論いい、しかし安さを求めていくその先に待っているものは?
少し大きな話になるけど、自然、いや、地球という我々人間と他の動物が生きる環境が壊れていく、その影響は今回の豪雨、台風の異常な進路。気温等々、全部地球上の動物の中で、人間だけが便利で簡単、安くて早いを求めすぎた結果。そして、それに応えてビジネスを拡大しようという欲によって成り立った。本当にもう戻れないのか、さらに今年は夏のセール第二弾とかで、限りなく正価からゼロに近い価格で売上げをつくろうとしている。空しくならないのだろうか、もう麻痺しているのだろう。
片や声高にサスティナビリティーとか言っているわりには、生き残るためにはそうは言ってられないというのが現実だとすれば、その仕事の魅力って何だろう。当然、食うための仕事になってしまう。若い人が飛び込んでくるような世界ではなく、結果、我々もそうだけど、人手不足という状態。そう考えると、作る側・売る側・着る側・使う側、全員が一度立ち止まって考える時だと思う。
捨てられない服、どうしても捨てられない家具、直してでも使い続けていきたい物を作り、売っていきたい。
ネットではなく、不便かもしれない店舗にわざわざ来店していただいて、時代遅れと言われても変わらない型を大切にしたい。
拡大よりも継続させていきたい。捨てられない店になるために。