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人工的な快適さがもたらす恐怖

2018.05.18

住まいはどんどん進化していく。

冷暖房・空調・家電製品の発達のおかげで、生活や家事がずいぶんラクになった。

昔は自然に委ねるしかなかったことが、人工的に全てできてしまう。しかも、ちょっとした不便を解決する製品がどんどんメーカーから開発されていく。しかし技術の進歩に伴い、今まで起こり得なかった新しい不便も生じてくる。

高気密の住まいにはダニが異常発生したり、カビが生えたりする。すると今度は抗菌加工の製品ができ、ダニを徹底的に殺してしまう殺虫剤が出てくる。その結果、住む人の呼吸器などに障害をおこしてしまう。まるでいたちごっこのようである。

ところが、いったん人工的な快適さを経験すると、もう後には戻れない。一度覚えてしまった便利さは捨てられない。そしてこの便利さは冷房病という新しい病を生んでしまった。人工的な快適さは文字通り不自然・不健康というものにつながってしまった。

この内容は22年前、建築家の清家清氏が”やさしさの住居学”で書いている。

重要なことは住宅を売るためにどうするかではなく、人間が気持ちよく住むには基本的なことをもう一度見直すことが大切だと言っている。

人間に快適な環境は他の生物にとっても快適で、人間だけが快適に住もうとすれば様々なところにその”つけ”が出てくる。

要は、ダニ・カビは追放できると謳っているが、実はできない、無理だと彼は言っている。

このことはクレームにはならない、ということにもなる。

人間だけの地球じゃないということだよね。

昔の本にはそれなりの真理が書かれている気がする。

改めて不便益の大切さを感じる。

 

 

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